東京の素敵なギャラリー

先日中川原さん宅にお邪魔した時に、東京の白山にあるギャラリーで、昨秋にあけびのかごの製作実演をされたと伺いました。
中川原さんのお話では、そちらのギャラリーが文京区の小石川植物園近くの閑静な住宅街にある素敵なギャラリーだったということでしたので、訪ねてみました。
お名前は、gallary KEIANです。
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しっとりした冬の雨の日でしたが、そんなお天気もまた良いなと感じられる落ち着いた雰囲気のギャラリー。
アポなしで伺ってしまったのですが、気持ちよく応対して下さったオーナー様。
朝一番で、ほかにまだお客様がいらっしゃらなかったので、しばらく楽しくおしゃべりさせていただきました。
中川原さんのかごの製作実演をされたそのお部屋には、オーナーのお母様の着物が展示されていました。
ほとんど京都の職人の手による着物、帯。茶道を嗜まれたお母様なので、それはそれは沢山の着物をお持ちだったそうです。

今回の着物の展示は2回目ということで、お母様が若かりし頃の明るい柄が中心。テーマは「菊」の花でしょうか?帯。脇に飾られているティーセットも良い感じでしたよ。
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友禅かな?刺繍が綺麗ですね。品が良いです。
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着物は、昭和20年代のものだそうです。戦後、復員してきた職人さんたちが、戦時中に作れなかった分を取り戻すかのように一生懸命着物作りに励んだ時期があったとオーナーの方から聞きました。絹の美しい着物文化の復興を目指して。それが、昭和30年代以降、日本の生活様式が西洋化の一途をたどるにつれ、着物は廃れて行ったのだそうです。戦後一時咲いた復興の花・・・そんな時期の華やかな着物が展示されていました。職人さんたちの頑張りが、切なさを感じさせるから益々これらの着物が魅力的に感じられるのでしょうか。

菊の花。黄色、青、緑、ピンク、赤の何とも言えない美しい色。和の良さが感じられる色合いです。華やかですが、落ち着いています。
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お母様の小物コレクションも展示してあります。今回の展示会のタイトルは、『昭和の着物Vol 2と乙女な小物』とありました。
こんな可愛い紙の小さな封筒もありました。今はもうない京都のお店のものだそうです。
風呂敷もたくさん!昔は、美しい模様の風呂敷を、上手に使っている人たちが多かったのでしょうね。
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圧巻の花嫁衣裳。こちらは、お色直しの絞りの着物と西陣爪織りつづれの帯。爪織りつづれは、職人だからと言って誰でも習得できるわけではない大変高度な織りの技術で、仕上がるのに何年もかかるものがあるそうです。オシドリが織り込まれています。息をのむ美しさ・・・。
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展示室の窓近くにバスケット。さりげなく置かれた扇子とも相性が良いですね。古い箪笥も昭和の香り。
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ギャラリーには、刺し子のポーチ、美しい竹細工のかご、驚くほど精緻に刺された刺し子の布巾・・・など趣味の良いものが並べてありました。
その中で、私が購入したのは、これ!えっ?何でしょうか?
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これが、分かった方は、なかなか。

答えは、バターナイフ。TETARDという名前の熊本で活動をされている上妻利弘さんの作品です。フランス語でおたまじゃくしという意味だそうです。
使ってもナイフがテーブルにつかずに置けるのが利点だそうです。

文京区・・・都内に住んでいる人達が、良き東京の地として憧れる場所。江戸時代からの武家屋敷の名残があるからでしょうか?小石川植物園など緑も多く、静かな住宅地が広がり、かつ大学(東大・お茶大、筑波大の大学院)も多いノスタルジックな雰囲気漂う地域です。

KEIANさんを去ったその足で、千駄ヶ谷にある「chisa(チサ)」というヴェネチア・ムラーノガラスのギャラリーに寄りました。
センスの良いネットショップのお客様がご紹介くださった素敵なお店です。
こちらのオーナーの小瀧千佐子さんは、ムラーノガラスのデザイナー、コレクターの第一人者。かつて北鎌倉にもガラスの博物館を開いていたこともあったそうです(建物の関係で惜しまれつつ閉じたそうですが)。

私が伺った時に、たまたまオーナーがいらっしゃったので、ガラスの精巧な作り方などを教えていただきました。
細いガラスの棒を集めて面にして、ガラスの板にするのだそうです。これは、何本ガラス棒が集まっているのでしょうか?                          
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カフェのコップもムラーノガラス。青が綺麗!
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ガラスでできたシャンデリア。写真では上手に写せていませんが、実物は実に美しいです。
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庶民の私が買ったのは、夢あるガラス商品がいっぱいのお店の中で探し出した実用品。でも、十分満足037.gif
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by fukidayori | 2016-02-05 21:33 | お店紹介 | Trackback | Comments(0)
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