秋田県立博物館分館 旧奈良邸での実演会

昨日、盆踊りと昔語りと手仕事の夕べと言う名前の催し物が、秋田県立博物館分館の旧奈良邸で行われました。
その催し物の中で、私はあけび細工職人中川原信一さんの実演会を見に行きました。

旧奈良邸というのは?
ひとことで言えば、この地に長く栄えた豪農奈良家が長年使っていた住宅のことです。
16世紀に奈良県から秋田県潟上市に移り住んできた奈良家が、現在の地にこの住宅を建てたのは、江戸時代中期の宝暦年間(18世紀半ば)。この住宅は、建てられてからすでに250年も経っている国の重要文化財です。

旧奈良家がある場所は、秋田市北部の金足。金足は、男潟と女潟のふたつの小さな湖(潟)がある小泉潟公園で有名な地。
この地に秋田県立博物館があるのですが、旧奈良邸はその分館です。

金足という場所は、どじょっこふなっこの歌の発祥地でもあります。

春になれば、しがこもとけて、どじょっこだのふなっこだの春が来たさと思うべな🎶

さて、その旧奈良邸。今では珍しい茅葺屋根の住宅です。
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土間には、囲炉裏があり、藁で編まれた座布団が囲炉裏の周りをぐるりと囲んでいました。
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土間の土は、踏み固められてつるつる。部屋の中は、煤で全体的に黒ずんでいます。
畳の部屋は、結構高く建てられていて、段差があって、片足かけてひょいっとは上がれません。それにしても、広い家。大きな部屋がいくつも並び、室内には生活用品も往時のままに置かれていて、旧家の賑わいが蘇るようでした。

さて、手仕事の夕べ。夕べと言っても、開始は午後1時半。わら細工の方と、中川原さんが並んで実演を行います。おふたりが座っていらっしゃる場所は、「いなべや」と呼ばれる刈り入れた稲を脱穀するまでの間置いた部屋。天井の高い立派な部屋でした。
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今回は、最初から最後までずっと実演者の方々のすぐ近くで見学することが出来ました。
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中川原さんが縁かがりをされているところ。縁かがりのことを仙北の言葉で、縁っこと言うそうです。~こがつくのは、秋田弁の特徴。何とも親しめる響きがしませんか?「あめっこ(飴)」「どじょっこ(どじょう)」「ふなっこ(ふな)」
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外側には隙間が出来ないよう、内側は重ならないように。外側と内側の合わさる部分は、縁の真ん中に綺麗に一本のラインになるように。つるの節は、見えるところに来ないように。。。

中川原さんのつるさばき、吸い込まれるように見入ってしまい、時間がたつのを忘れてしまいます。
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しばしの休憩中、学芸員の方から博物館の素敵なプログラムをご紹介いただきました。夏休みの間、7月23日(土)から8月21日(日)まで藍しぼり染めの体験教室があるのだそうです。浴衣に染めた美しい藍しぼりの写真が飾られています。これ、やってみたいですね!秋田には、色々な絞り染めがあるそうですよ。
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学芸主事Sさんがこの日お召しになっていた浴衣はこれ。横手絞りだそうです。蝶と花。丸い部分は、鹿の子絞り。白い部分は、ラップでくるんで白く色抜きしたものだそうです。
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秋田美人の学芸主事さんを、ご紹介出来ないのは、残念ですが、プライバシーの問題もあり、浴衣の裾だけでご容赦下さいね。
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いつも柔らかな笑顔の中川原さん。かけ歌も披露して下さり楽しいひと時を過ごすことが出来ました。
企画して下さった秋田県立博物館のスタッフの皆様、どうも有難うございました001.gif
この度も、温かい雰囲気の実演会でしたね。場所が変わったことで、さらに味わいあるイベントになって参加者の皆さんも喜んでいらっしゃったことと思います。

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by fukidayori | 2016-07-17 13:09 | イベント | Trackback | Comments(0)
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