秋田で暮らす

先週末に、同窓会の集まりがあり、少しだけ顔をだして来ました。
先輩のおひとりが、藍綬褒章を受賞され、同窓生でお祝いの会を持ちました。小さな大学で、かつ秋田在住の同窓生も少ないので、少人数の集いとなりましたが、久しぶりにおひとりおひとりの来し方近況など伺うことが出来て、充実したひと時をすごすことが出来ました。

受賞された先輩からは、受賞に際しての丁寧なご報告が書かれたお葉書と、お返しの品をいただきました。
お品の熨斗に『心ばかり』の文字が書かれてあり、その言葉にさりげない心配り、温かさが感じられて、感心して拝見しました。

集いに出席したメンバーには、秋田出身の方も私のように他の地域出身の人も混じっています。それぞれが、近況報告をしながらも、こと経済面に関しては、長期低落傾向にある秋田の未来を憂える点で意見が一致していました。
人口減も著しく、高齢化率日本一の秋田。発信が苦手で、経済活動は、東北の中でさえも出遅れがち。悪いデータばかりが、並びます。

そうねぇ。一般的な指標で、国内の他の県と比べたら、良くない数字が並ぶよね。

でも、見て下さい。この豊かな自然。
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初夏になれば、新鮮な山菜が、食卓に並び、美味しくいただくことが出来る暮らし。清冽なん水に澄んだ空気にも恵まれています。

秋田県内一番の都市、秋田市に住んでいても、太平山や、鳥海山などの麗しい姿を日常的に眺めることが出来、自然は豊かで季節の移ろいを身近に感じながら暮らせます。冬は雪が降るので大変なこともありますが、雪の夜の景色の幻想的なこと!

宣伝をあまりしていないだけで、秋田には素晴らしい産物が豊富だと思います。一次産品の食べ物、米、魚、肉、野菜。それに木材はもとより、生産品、そして工芸品も色々ありますよ。
工芸品を作られる方達は、日々こんなに美しい豊かな自然に囲まれ、目にしているから、良いものが作れるんですよね。

博物館、美術館もない。テーマパークもないけれど、ないからこそ、お金は使わなくても暮らせる。だから、同じ物差しで比べなくても良いんですよね。収入が少なければ、都会の高額所得者のように、頻回に海外旅行に行くことは出来ないけれど、世界の中でも有数に美しい国、日本の豊かな四季の移ろいを、肌で感じられる日々を、有難いと思って暮らすのも良いですよね。要は、それに気付いているかどうかなんですね。
自分が住んでいる所が一番素敵!と思える幸せ。
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もちろんこの話は、日本の地方のかなりの地域に当てはまることですが。。。日本は、都市部を除けば、自然の豊かな地域の生産物に恵まれた国なんですよね。どの地方にも美味しいものあり、素敵な製品あり。だから、ふるさと納税のお礼の品が多様で、それらを見るのは、本当に楽しいですね。

「オレもやらないから、オマエもやるな。」と、やる気のある人の足を引っ張ると言か秋田人気質。やる気に欠けるとか、やっかみが強いとか言われます。横並び意識が強いのは確かですが、若い人たちは少しずつ変わってきていると私は感じます。
それでも、秋田で暮す人達は、のんびりしてるのが、性に合っているのでしょう。そして、周りの人にもあまり忙しくして欲しくないようにも感じます。
本当にのんびり、のんびり。待つのが、すごく得意。ずっとずーっとたってから、リアクションが来たりします。えー?今頃?なんてね。

それから、人の外見をアレコレ言わないところも、良いと思います。人は、外見だけではないと言うことが、本質的にわかっているんだと感じます。
どうしてかな?人も自然の一部だから、外見が色々であっても、それも当たり前と思っているからかな。
手仕事が上手だったり、スポーツが得意だったり、料理が得意だったり・・・。人の長所は、外見ではないわけで。

東京にいる時は、随分身体ネタでいじられたものです。いえ、いじりあっていました。スタイル、顔の形、肌の色など。でも、こちらに来てからは、そういうことは、あまり話題に上がらないですね。思っていても言わない。言って何になるの?と考えるのですね。
これは、我が身を振り返り、反省したい所でもあります。

のんびり平和に暮らしている秋田も、高齢化だけは、参ってしまうと思います。お年寄りだけになったら、どうなる?
自分も、片足?入っていますが。

◎写真は、先週鶴岡出張時に車窓から写した鳥海山と象潟ねむの丘で撮った日本海に沈む夕日です。


by fukidayori | 2017-05-23 20:36 | 生活 | Trackback | Comments(0)
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