幸せこまち・・・大潟村で米作りに携わる斉藤幸子さんをご紹介します!

秋田県大潟村で稲作を営む農家に嫁いだ斉藤幸子さんに出会ったのは、今から15年くらい前になります。

ルドルフシュタイナーの勉強会が秋田市内で開かれていて、そこで出会いました。
ものが豊かになった時代に、本当に大事なものは?魂の成長に添った生き方は?など、探究する思想はとても内容が深く、しっかり理解するのはなかなか難しいシュタイナー。けれど、建築、教育など具体的な実践はヨーロッパを中心に世界各国でなされています。面白い形だけれど温かい雰囲気がする建物や、おもちゃ、オイリュトミー、ライアーの演奏などに出会った方もいらっしゃるのではないかと思います。Speech Therapistとして働いていた私にとっては、既存の価値観にとらわれていないシュタイナーの教育は魅力的で、秋田で勉強会があることをとても嬉しく思いました。

シュタイナーの勉強会に、子育て真っ盛りだった幸子さんも教育の観点から興味を持たれたようです。そこでの印象は、太陽のように明るい人!元気な声、明るい笑顔で、周りをいつも照らしてくれました。栄養士、調理師の資格も持っていらっしゃるので、持ち寄りパーティーで差し入れてくれるお料理がとても美味しかったことも記憶に残っています。

出会った頃の幸子さんは、2001年の大潟村環境創造宣言を受けて、大潟村内での「田んぼの生き物調査」活動のリーダーとなり、田んぼの生き物たちが生き生きと暮らせる環境を調査していました。また付近の水を汚さないために合成洗剤を使うのをやめよう!と、環境サークル「たんぽぽ」を作って石鹸作りを行い、販売もしていました。何でもこなすスーパーウーマンです(田んぼの生き物調査と石鹸作りは15年以上たった現在でも、続けられているそうです)。

大潟村というのは、琵琶湖に次いで国内第二位の広さである八郎潟を干拓して作られた村で、生産性が高く所得水準も高い農村をめざす農業経営のパイオニア的な地域。干拓が始まったのは1957年頃ですが、干拓には約20年の月日が費やされたそうで、その間に全国から、新しい農業に携わろうと入植者が次々と移り住んで来た村なのです。幸子さんが嫁いだ斉藤家も約40年前に秋田県の峰浜村から入植したそうです。

入植2世の秀幸さんのもとへ東京のOL生活をしていた幸子さんが嫁いだのは、1995年。農家のお嫁さんとして稲作作りを手伝いながら、3人のお子さんの出産・育児に携わる日々が続いていた、そんな時に私も彼女と出会ったのでした。

それが、10年前の2007年にご主人の秀幸さんが突然亡くなり、幸子さんの生活が一変しました。
残されたのは、ご主人のお母様と小学校5年生のお嬢さんを頭に3人のお子さん。そして15ヘクタールもの農地。
本当に大変だったと思います。ことばに出来ない苦労の連続だったことと思いますが、大潟村の地域の方々の支えがあり、先輩たちに教えてもらうなかで、今に至る米農家に成長されたと伺いました。
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「米作りはね、子育てと一緒だよ。田植え前のハウスで育てる苗は、稲の赤ちゃん。温度管理や湿度などの面倒を丁寧に丁寧に見るの。風吹いたり、暑かったりしたら、大丈夫かなぁって心配で、気になって、ハウスの中で一緒に寝泊まりしたいくらい。」
「田植えをした後ももちろん、気になることはたくさんあるけれど、これも子育てと一緒で、あまり過保護にしないで、ポイントポイントでしっかり手間をかけるの。以前はあれこれ気になって、たくさん手をかけていたけれど、最近はここが大事という時がわかるようになった。でもねぇ、天候不順で嵐が来たりすれば、稲が気になって、田んぼにずっと一緒にいてあげて、夜も隣で寝ていたいって思うのよね。」
母の気持ちなんですね。愛情をいっぱい受けて育った斉藤家の稲たち。
種から芽吹かせ、大切に育てて早苗にし、美味しい肥料と生き物いっぱいの田のなかで伸び伸び育つ幸子さんの稲は、茎も葉もとてもしっかりしていると聞きました。
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年々食味計での値が良くなるという幸子さんのお米。今年もSランクの出来栄えです。
農薬を最低限に抑えた特別栽培米。肥料には天然有機リン酸を使用して、良質の栄養が与えられて作られているのが美味しさの秘訣のひとつ。
収穫後は、籾のまま貯蔵し、水分チェックを綿密におこない、注文を受けてから籾すりをされるお米は、粒の大きな冷めても美味しいあきたこまち。幸せを食卓に運んでくれる幸せこまちです。

斉藤幸子さんが作成したパンフレットから内容を以下にご紹介いたします。

人と生きものに優しい農業 幸せこまち生産者 斉藤 幸子
「微生物が増えれば、イトミミズやユスリカが増え、それをエサとするトンボの幼虫やカエルが増え、そして鳥やイタチが増える。そんな生きものたちの環がある土は、人にも優しい。人と生きもの、どちらにも優しい農業を。」

命かがやく笑顔が生きる
「私たちは、田んぼの生きものを重視し、人と生きものに優しい農業をしています。田んぼの中にいる命、お米をつくる私たち、食べる人、みんなの命の環がつながってかがやき幸せな笑顔が生まれる。その思いを胸に、こだわりのお米を作っています。」

179.png幸せこまち179.png 購入ご希望の方は下記へご連絡下さい。

〒010-0445
秋田県南秋田郡大潟村西1-1-29 斉藤 幸子
電話090-7798-3653
sachi-01@outlook.jp

価格(生産者斉藤幸子さん直接注文の場合)
5キロ¥3,500
発送の場合は、これに送料がかかります。

5キロ
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幸せこまちお取り扱い店舗、レストラン
東京池袋東武デパート
東京調布パルコ
東大前 良米工房 堀江米店
東京稲荷町 相沢米店
墨田区 阪本米店

東京秋葉原 天ぷら ひさご

「幸子さん、お子さんたちは?」一番上の方は、うちの息子と同じ年齢。息子がぽわわ~んとした小学生で、シルバーエリアの体育館の中をただ走り回って遊んでいた時に、3人のお子さん連れの幸子さんと会ったことがあります。息子と同級生のお嬢さんは、地元のスポーツ少年団のラグビーチームに所属されていました。しっかりもののお嬢さん!という印象がありました。
「子ども達のうち、ふたりは農業をやるといってるよ。長女は、農業を学ぶ専門学校で勉強中。国内研修にも、海外研修にも行くのよ。もうひとりはまだ高校生なんだけど、卒業後は農業の専門学校に入学する予定。」
親の背中をしっかり見て育っていますね。

余談になりますが、幸せこまちの字と絵を描かれたのは、幸子さんと出会うきっかけになったシュタイナーの勉強会の代表を務めていた若松亜紀さん。
子育てに関するベストセラー本をたくさん執筆されたり(幕内秀夫先生や佐々木正美先生とのコラボ出版などもあります!)。

次回、15年前に書かれた幸子さんの大潟村の四季のエッセイ掲載します(先日ご本人にお会いして掲載許可をいただきました)。
by fukidayori | 2017-11-04 14:19 | 友人・知人 | Trackback | Comments(0)
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