斉藤幸子さんのエッセイ 大潟村の夏(あきたでOSANPO!より)

◇大潟村の夏
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大潟村の広~い田んぼの真上に
どこまでも続くぬけるような青空。
草取りに入った私は田んぼの真ん中で空を仰ぐ・・
「あ! くじらぐもだ!」
私も子どもに帰り
「くじらぐもと一緒に空を飛んでみたいな」
なんてつぶやいて、またまた草取りを始める。
大潟村の夏は田の草取りに明け暮れる。
もちろん、私も、
「ふね」(入植当時、手植えの苗を入れて田んぼの中を運ぶ道具・・・
大潟村干拓博物館にあるよ)を片手に引いて
腰には「苗かご」をくくって、進むのです。
遥か向こうの畔岸にたどり着くまでにはもう腰は砕けそう。
でもね、田んぼの中に入ると「トトロ」に会えるよ!
小さな虫達、蛙ももちろん鳴いている。
そして、日が沈みかけてくると、
「やご」から「とんぼ」になって飛び立つの!
夕日にまだやわらない羽がキラキラ輝いて、
ものすごくきれいでね。感動です。
畦では子どもたちが歓声を上げながら
トンボと追いかけっこしています。

(斉藤 幸子 大潟村在住 2004年あきたでOSANPO!)                                 





by fukidayori | 2017-11-04 15:38 | 友人・知人 | Trackback | Comments(0)
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