斉藤幸子さんのエッセイ 大潟村の秋(あきたでOSANPO!より)

◇大潟村の秋
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一面の黄金色に色づく稲穂が秋風に揺られ、
そよそよと音が聞こえてくるの。
秋になるとおばあちゃんに教えてもらった
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」を思い出す。
「稲も稲刈りするころに穂が垂れてくるように、人もまた偉くなれば、人の意見を聞き、偉ぶってはいけないんだよ」と
大好きだったおばあちゃんの言葉!
まだ覚えているよ。
大きなコンバインが稲刈りを始めると、
イナゴ達が一斉に飛び上がる。
子ども達は夢中でイナゴを追いかけて田んぼの中を駆け回り、
私はコンバインが刈り取りできない田んぼの四隅を「カマ」で手刈りするの。
初めての稲刈りは、義母さんの後をついて教えてもらったけど、
稲を「カマ」で刈るのは初めて。なかなか切れない?
のこぎりみたいにギコギコやってみる。
義母さんは私が1つ刈るうちに10は刈っているかな~~!
すごい!その稲を束ねるのも初めて。またまた「おかあさ~~ん、どうやるの?」と
やってみるけどこれまた、難しい!何度やってもできないの。
でも、義母さんは根気強く教えてくれました。
きっと「この嫁だば、ダメだすな」と思った事は数知れないんじゃないかなあ?
そんな私もすっかり束ね方も上手になりました。お義母さん!ありがとう。
秋空の下にゴザ敷いてお弁当を食べると気持ちいい~~よ。
自分達が作った米の「おにぎり」を頬張りながら秋風に包まれる し・あ・わ・せ。
大切に春から育てた苗が稲になり米になる。
そんな、当たり前の「いのち」がありがたい。

(斉藤 幸子 大潟村在住 2004年あきたでOSANPO!)                                


by fukidayori | 2017-11-04 15:51 | 友人・知人 | Trackback | Comments(0)
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