さようなら、自在屋 川井達弘さん

こちらのブログで何度も紹介して来た田舎暮らし体験塾自在屋を長年運営されて来た川井達弘さんが、7月28日亡くなりました。82歳でした。
夕方、テレビを見ていた時に、バタンと椅子から倒れ、「お母さん」と、奥様を呼んだ後は意識が無かったそうです。

ここ1年くらいは、体力が落ちて以前のようなペースで活動をされていなかったとはいえ、まだまだお元気で農作業などをされていたのに、、、。
突然の別れにびっくりしました。

34度の猛暑の中、ご挨拶に行って来ました。

客間には、今まで迎えて来たお客様との写真の一部が所狭しと飾られています。タレントさん、テレビ局のレポーターさん達もいらっしゃいましたね。
なかでも、こちらに書かれた看板は、川井さん自慢の番組出演だったのでしょう。
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NHK教育テレビで放映された『田舎であそぼ』見ていましたよ。川遊び、丸太で出来た昼寝小屋遊び、だまこ餅作り、、、自在屋さんの定番が目白押しの番組でしたね。
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川井さんの温かい絵の数々。
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主のいない田舎暮らしの道具。
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火の落ちた囲炉裏。
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川井さんは、奥様が育った山形県新庄市にある名刹瑞雲院に葬って欲しいとおっしゃっていたそうです(奥様は叔母様を頼り、このお寺に疎開し移り住んだそう)。瑞雲院は、新庄市を収めた大名戸沢氏の墓所があることで有名な国指定の史跡。もともとは秋田県角館の豪族だった戸沢氏。関ヶ原の戦いで功をなし、徳川家康から新庄に大きな石高を貰った大名だそう。秋田に縁のある山形のお寺に眠ることになるのですね。

「人を楽しませることが好きなアイデアマンだった。これからもやりたいことがたくさんあって、特許を取るつもりだったのよ。」と、奥様がおっしゃっていました。
最後に奥様から、川井さんが描いた素敵な絵とことばの木のカードをいただきました。

夫が選んだもの。
ほたるの光で本を読むんだ。「きっと読めるよ」
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私がいただいたもの。
パチパチと今朝もめし炊くいろりばた じっちゃとばっちゃがいたところ
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秋田の田舎くらしの素晴らしさ、70年前の日本の暮らしの素晴らしさ、を教えて下さった川井達弘さん、さようなら。

私達は、田舎の慎ましい暮らしからどんどん離れて、地球温暖化に拍車をかける暮らしをして来ました。私は、あなたが鳴らした警鐘を、きちんと受け止めて、実践に移せてはいません。それでも、川井さんからのメッセージ、私の心にしっかり残っていますよ。

あなたに出会えて、本当に幸せでした。自在屋は、よそ者として秋田に暮らす寂しさから解放してくれる宝物の場所でした。
川井さんは、いつもフェアーで多くの人にたくさんの幸せをもたらして下さいました。本当に有難うございました。ご冥福をお祈りいたします。

by fukidayori | 2023-08-06 20:30 | 秋田 津々浦々 | Trackback | Comments(0)
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